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フランス印象派のClaude MonetがNormandy地方のGivernyに造った有名な黄色のダイニングルームはカントリースタイルの典型である。それはたくましいシンプルさを持ち、美しさと同時に便利に設計され、暖かさと快適さを運んでくる。長いその部屋は、片方の壁面にフランス窓が2セットあり、入口のドアは台所へ通じ、自然な光に包み込まれている。それを引き立てるように壁はあちこちの田舎のダイニングルームで好んで用いられる淡い黄色で塗られている。テーブルの下の赤味を帯びた東洋風のラグと共に、実用的な赤と白の真四角のタイルが対角線上に並べられており、それらが視覚と肌合いのコントラストを与えている。長いテーブルは部屋の中央に置かれ実用的な淡い黄色の油布が掛けられている。イグサのシートと青と白のクッションが付いた、塗装された椅子はこの地方に典型的な物である。それらは奇麗な扇型の背もたれがあり、カントリースタイルは必ず質素である必要がない良い証拠になる。壁は画家の巧妙に描かれた日本画コレクションの一部が並べられている。東洋的な磁器が暖炉の上やガラス扉を持つ大きな食器戸棚に飾られている。
フランス人は食べ物に対する情熱は有名かつ独特である。食事場所は同じ特徴があり、全地方で共通のテーマがある。壁は通常白やクリーム色やMoetが好んだ黄色やたいへん似通った桃色と橙色で塗られている。もっと強いアクセントカラーは皿や花、シートカバーやテーブルクロスやカーテンの柄の慎重な色使い、そしてしばしばチェック模様の床のタイルで用いられる。
典型的なフランスの田舎の白壁のダイニングルームでは、テーブルはレースで縁取りされた古い麻布で覆われ、かすかに緑がかったナプキン、磁器、手作りのワイングラスやコップ、そして古い銀製の調味料入れと百合の花を浮かべた低いグラスが置かれる。椅子は淡い色の木で造られ、サイドボード上の一組のランプから和かな光が届く。その効果がゆったりとした安楽の一つである。他方、磨かれたパインのテーブルセット、藤製のマットとカラフルな磁器、中央のペンダントライトの古風なピーズで飾られた笠、高い花瓶と食器棚に飾られた青磁や白磁のコレクションで同じ部屋がもっとカジュアルに見えるだろう。
別のフランスの手法は羽目板の壁を剥ぎ取って色を剥いだキャビネットを据え付けそれら全部を伝統的な青緑色に塗ることである。丸いペーズリーで覆われたテーブルや、イグサの座席とうす緑色のクッションが付いた背もたれの高い着色された椅子、そして金の額縁に入った絵画や鏡との組み合わせで、ダイニングルームはエレガントで見た目に楽しく長く寛ぎやすいものになる。
全ての効果が粗野であろうが上品であろうが、これら全てのカントリースタイルのダイニングルームでは意図的な様式の押し付けに重点を置くより、むしろ快適性、物を自然に集め気楽に組み合わせることに重点が置かれている。