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カントリーキッチンにあるボールに盛られた桃、ハーブや花の束、果実を漬けた瓶、そしてバスケットの中のトマトや卵等は、壁の色や床のタイルと同様に重要だ。田園の観念は豊かさの一つだ。何エーカーもの小麦、茂った果樹園、魚が多い川、のどかに放牧される家畜、収穫物で一杯の納屋。カントリーキッチンと言ってパンやシチューやサラダやコーヒーを料理している何れかのいい匂いをイメージしてもおかしくはない。
キッチンはいつもカントリーハウスの心臓部であり、ストーブでパチパチ音を立てる薪や磨かれた木部や猫が伸びをする光景を楽しめる。夏はドアや窓は開け放たれ、花やハーブの香りがたち込め、野菜園や市場からの生産物がカウンターに山盛りにされる。
幸いにもカントリースタイルは小さいアパートでも達成可能である。それはストーブ、流し台と収納場所を台所が有効になるよう配置することであり、ハイテクの食器棚や継ぎ目の無い表面を使用することではない。近代的器具の便利さやカントリー風の設備を犠牲にする必要はさらさらない。食器洗い機やフードプロセッサーがミルク差しを飾った棚や市松模様のタイル床等の伝統的なカントリー風の要素と並んでいてもよい。
人々は非公式さや食事を作るときのぶんぶんいう音に魅惑されて、大きな台所に集まる傾向がある。しかし特に近代的なキッチンでは余裕のあるものはしばしば実現不可能である。もしスペースがほとんどない場合は位置を慎重に考えなさい。独立したキッチンの代わりに壁に穴を開けて居間と合体させたり広い部屋のコーナーと位置替えをしたり、階段の下に小さなキッチンを備えたりしたほうが良い場合がある。
キッチンは食事スペースと常に近接していなければならない。カントリー風の居間はもてなしをよりしやすくする。つまり仕事勤めのためお客が来る直前にしか帰宅できないが何か特別な物を作るのが好きな主人にときどき重宝がられる。家族と友達が調理風景を見ながらサラダの材料をつまんだりチーズを下ろしたり卵をホイップしたり出来る。そしてキッチンの様子と香りで満足するため夕食がちょっと遅くなっても不満はあまりでないのだ。