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典型的なカントリーの寝室では、ベッドは代々伝わるキルトでカバーされている。その種類は広範囲であり、家で紡いだ毛糸のカバーや、パッチワークの手の込んだキルト、奇麗なアップリケのカバー、そして初期の織機で作られ19世紀に流行した強い色のジャカードのカバーなども含まれる。
パッチワークキルトの芸術は18から19世紀のアメリカで絶頂を極めた。キルトは小さなダイヤモンド形や八方形、そして大きなそれに替る長方形で出来ていた。それらは無地と模様の木綿、毛や絹、繊細な影、原色や大胆な幾何学模様、に切り分けられる。そして曲ったくねくね模様、星形、花や動物の形、幾何学模様や広い縞模様に縫われる。いったん完成すれば、パッチワークは芯を入れられ裏を補強され、ダイヤモンド形や長方形やパッチに印刷された形に沿って縫われる。
キルティングは無地の木綿やサテンや、更に手が込んで精密な模様の織物の縁取りに用いられる。古いパッチワークキルトは民芸品専門のアンティークショップで入手可能だが高価である。時間が許すなら手作りは可能であり、似たようなキルトでも手作りのものほど魅力的ではないが、最低でも縫物はミシンに頼らなければ大変である。
ドラマチックなアップリケのベッドカバーは印刷織物を切抜いて手やミシンで縫い付けて出来る。例えば大きなアカンサスや百合を厚手のリネン、良質のコットンや柔らかい色のベルベッドなど手頃なベースとなる布地に縫付ける。サテン縫いで刺繍された精巧なスペインのショール、カラフルな刺繍で飾られたクリーム色のインド毛布、そして白やクリーム色の木綿で編まれた毛布はカントリー風の寝室にとって完全なカバー類である。
カントリー風の寝室には今日の色付や模様のあるリネンよりも爽やかな雪のような白さの木綿やクリーム色の亜麻のシーツがお似合である。新品の亜麻シーツはたいへん高価であるが、セカンドハンドショップへ行けば奇麗な古いシーツや枕カバーを見つけられる。亜麻は大変丈夫であり年と共にいい風合が出る傾向がある。欠点といえば糊付とアイロン掛けが必要なことである。良質の木綿、出来ればパークール木綿は素晴らしいその代替えになる。