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奇麗な木の古いベッドフレームは、カシのように独特なもの、クルミやサクラのようによく磨かれた物、または良質で耐久性のあるマツ等どれで造られているかに関らずカントリー風の寝室でフォーカルポイントである。そしてもしもお気に入りを手に入れる幸運があれば、それは宝物である。何十年もかけて造られた艶は偽物では真似の出来ないものである。しかし塗装されたベッドは一度剥いでみる価値はあり、もし下地が良い見栄えならばそのままワックスをかけられる。またはアンティーク調やステイン仕上げ、ステンシルやラッカー塗りなど装飾的なペイント仕上げができる。
木製のベッド形式は四本柱に天蓋の付いたものから、単にヘッドボードがあり多分曲った親柱で装飾されている物まで多様である。四本の柱は光と外気を遮るため厚い織物で覆われているものであるが、19世紀中頃換気の良い寝室が流行しより明るいムスリン織、良質の木綿やレースが好まれた。カントリー風の寝室ではベッドや窓のドレープカーテンは常にシンプルでなければならず、フリルや似た物は場違いである。
伝統的な鉄や真鋳のベッドフレームは本当に見つけ易く、それを再現した製品も広く出回っている。暗色系の色はベッドの装飾的な線を引立てるため、鉄は通常黒や濃い緑色に塗られるが、淡い色の壁には真っ白もいいものである。
多くのアンティークのベッドはひどく快適からは程遠く、しばしば近代のベッドより短い。ある古いベッドでは藁や羽毛を詰められたマットレスはベッドのレールに張られたロープで支えられていた。それらのサイドレールやほとんどの木や鉄のベッドフレームは現代の寸法に合わせて取替えは可能であり、不快なロープやスプリングは羽根板の下板に取替えできる。
ヨーロッパの農家ではベッドは伝統的にしばしば暖炉の傍に設けられたアルコーブに造られる。ベッドは基礎は上げられ収納スペースとして使われ、アルコーブは装飾されたパネルや時には薄いカーテンで囲まれる。スカンジナビアの国々ではパネルはしばしば白に強い青赤緑で強調された玉縁飾りを施した物である。もっと南方ではパネルは白木のままである。ビルトインタイプのベッドはスペースが貴重な場合の良い解決策であり、子供部屋によく使われる。
近代的なフレームやマットレスも奇麗なキルトや伝統的な織物毛布でドレスアップされてカントリー風の寝室では位置を占めている。手彫りのベッドヘッドはアンティークショップやホームメードショップで見つけられ、刺繍やパッチワークのキルトがヘッドボードの所の壁に吊るされ、可愛いクッションの山がカントリーの趣を増す。