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人を催眠にかけるような暖かい炎の特性は、人々を暖かい輪の中に引き込む。火がつけば居間の中で焦点となることは明らかであり、どんな場合でもほとんどの部屋の最も重要な建築的要素となる。
初期のアメリカ民家では、暖炉は炉額が壁パネルに組み込まれてブロックで造られていた。それらはしばしば大型で大きな料理鍋に対応していた。ヨーロッパ農家の素敵な石造りの暖炉も同程度の大きさである。古いイギリス民家では開口部が大きな木の梁であり初歩的である。田舎の民家は時々ステンシルや手塗りされた普通の木のマントルピースである。もっと小さなアーチ開口部が日干し煉瓦では特徴的である。それらの彫刻的な小さな開口部は部屋の真ん中と同じくらい隅にも置かれる。
フランス人はブロックを装飾的に使い、暖炉の中をニシンの骨模様に並べ、マントルピースには石や大理石をあしらう。薪は「ドッグファイヤー」とも呼ばれる一対のL型鉄製スタンドに載せられるか、バスケットが用いられる。しかし時々ブロックは装飾的な鋳鉄板で覆われ完全な炉となる。またはタイルの縁取りがされる場合もある。大きな暖炉では床は石かブロックで造られしばしば部屋の床よりも上げられる。小型か上品な暖炉では大理石、粘板岩やタイルが用いられる。
奇麗な暖炉はありきたりの部屋を様変わりさせる。それはプロによって設置されなければならないし、常にクラックと防火を点検しなければならない。もし部屋に煙突がないならば、ただ単に暖炉を建築的なフォーカスとして火を一度も入れずに用いることも可能である。薪を真鋳の台に載せ、炉には松ボックリ、ドライフラワーや野菜果実を入れる。または空の炉にタペストリーや手書きで炎を描く。風見鶏や着色された木製動物等の民芸品も仕切りとして用いられ、流木やちょっと変わった石も彫刻のように暖炉の上に置ける。
カントリーホームの暖炉棚には時計、彫刻、蝋燭の束、ランプ、絵画、家族の写真、ミニチュアのロッキングチェア、青白の骨董品の生姜壷等が飾られる。沢山のドライフラワーが逆さに吊られる。小さな赤唐辛子の長い列が棚沿いに並ぶ。
本当の火は確かにロマンチックだか火を起こし掃除するのは嫌な仕事である。幸運にも本物そっくりで本当に炎を上げる、ガスの「偽」火の新世代があるが、それらは並みの広さの部屋しか暖めてくれない。またスカンジナビア人が焚き火よりも好む伝統的な固形燃料式ストーブも実用的な気分になれる。それらはもっと実用的な暖房器具であり、湯やセントラルヒーティングのボイラーに連結されている。エナメルを塗られたストーブは概して白色であり、しばしば魅力的に装飾され、居間のコーナーや壁から離れて置かれる。