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玄関・階段ホールは酷使されるため、表面や仕上げは見栄え同様耐久性で選ぶ必要がある。カントリー風の屋内は強調される物は自然素材であり、床によってほとんどが形成される。なぜなら床はこれら移動スペースにあっては最も語りかけてくる装飾要素だからである。
玄関・階段ホールの床は空間を明確にするために使われる。家の前の方ではプライベート空間からパブリック空間を区切る境界は大理石や蝋画のタイルのように派手な素材でしばしば示されれ、見えない場所は安価な木、リノリウム、カーペットが用いられる。または玄関ホールの床はよく研磨された大理石に黒ダイヤを飾りに埋め込み、オリエンタルな柄のカーペットが敷かれた木の床の部屋へ導く。それは対照的な色、素材感や感触である。別の手法としてはホールと部屋は同じ床材を用い、連続性を持たせる。例えば磨いた床板や多くの古い農家のように土間に板石を敷詰めるのである。
壁の下部を腰羽目板で仕上げ上部と違った風にするのは伝統的かつ実用的なカントリー風玄関ホールの特色である。もしよく研磨された皮剥ぎパネルと浮彫りの顕著な壁紙が上部の無地壁の色のより強い色で塗られたならば廊下は実際より広く感じられ、表面の違いも強調される。しかし全ての壁が同じ色で塗られていても、素材感の違いが楽しい。大小の花の組み合せなどデザインの違う壁紙を組み合せることはヴィクトリア朝の人々に好まれた手法である。腰羽目板も似せられる。漆喰壁の下部を強い色で塗る、壁紙や刷出し紙を腰羽目板の上端に合せて貼る、雑石で腰羽目板にし着色するなどある。
大きな民家を改造したアパートなどでしばしば見られるように、もし玄関ホールがあまりに高い場合は天井の色をピクチーレールの高さまで続けることにより低く見せる事が出来る。暗色系の天井色はその効果が高く、白や薄い色の天井ではそんなに顕著ではない。
奇妙な形の天井、壁や建築要素は民家に共通しており、それらはしばしば堂々と取扱われる。傾斜天井はステンシルで帯状に飾られ、不規則な窓やドア枠はストライプ模様でなぞられ、円窓は彫刻された木で四角く枠取りされる。
ドアやドア枠はシンプルがベストである。皮剥ぎされるか研磨された木、そして壁や腰羽目板と同じか類似の色で塗装するのがしばしば最善の選択になる。一枚パネルのドアはガラスを入れれば、ホールに自然の明りが差し込む。プレーンなドアはtrompe-I'oeilのパネルやステンシルの良い下地になる。
階段ホールはしばしばデッドスペースになり、特別なコレクションやいくら有っても足らない収納スペースに理想的である。細い三角のカップボードは階段の折返し部にぴったりフィットし、毛布箱は小さな四角のホールでは椅子にも使え、長く細いサイドボードや配膳テーブルは乱雑になりがち色々な形の壷に丁度良いショーケースであり、新鮮な花や葉や草を一杯飾れる。