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花壇

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 冬の庭の植栽は、多年草、二年草そして一年草と共に植えられるボーダーなど骨組みとしての常緑が引き立つ大事な時期である。花は田舎の庭で不可欠な役割を担い、屋外をカラフルにし、屋内に甘い香りを魅力的にいつも漂わす。本物のカントリースタイルでは花と緑を摘んで家中を豪華に飾れるよう、花と緑が年中供給できるよう計画しなければならない。
 カントリーガーデンに結びつくボーダーガーデンで愛らしくもつれた美しさは、古いブロックか石の壁または豊かな常緑の生垣を背景にすれば更に引き立つだろう。ここでは複雑な花が沢山ある配合種よりもシンプルで古風な花がより似合いに見える。その効果はハッピーチャンスの一つであり、単に野生からの移動である。
 春は球根類と開花の季節である。アーモンドやプラムの木がデリケートな花びらを滴らせる下で、チューリップやアイリスがカラフルな花を揺らせ、グラス類がクロッカスとヒヤシンスの吹きだまりで水玉模様になる。すぐにルビナス、スウィート・ウィリアム、デルフィニュウム、ジャスミンやラベンダーの順番になる。真夏は選択肢が有り過ぎるが、常にバラは含まれ、クレマチスやスウィートピー、パッションフラワーやウイステリア(多分果樹を育てるだろう)等の素晴らしくロマンチックなツル性植物たち、そしてピンクスのような甘い香りのする植物やカーネーション、ナイトシーンドストックや全てのハーブ類がある。秋は葉がカメレオンの様に変色し、フクシャや菊がまだ咲いている。冬はもちろん最も沈黙であり、エバーグリーンの価値が最も明らかになる時である。色と香りのために、庭はチモナンサスのような冬に甘い香りをする物やスパイシーな香りがする落葉低木、冬咲きガマズミ、冬咲きハニーサックルを用いる。それらほとんどが夏より香りがする種類であり、スノードロップスやヘリボーも用いられる。
 カントリー風の庭で最も難しい局面は、花が多いため色をどうコントロールするかである。田舎の家の庭はすぐに手におえないくらい荒れ放題になるが、不快感を与える組合せを避けるためには根底にテーマが必要である。
 最も成功するアプローチはソフトな色あいの花を選ぶことである。例えば薄青色とクリーム色に薄桃色等である。そして一つか二つの強い色を貼り付ける。一色の庭も好いものだが、通常それらは見た目通りではない。Vita Sackville-WestとHarold Nicolsonにより設計されたKentにあるSissinghurseの有名な白い庭は、真っ白からクリーム色、薄黄色から黄身色まで幅がある。青い庭では白色、クリーム色やソフトな黄色を混ぜて青を引き立てている。その青も薄青色から紫色まで範囲があり、多分少し赤を隠し味に使うだろう。
 カントリーガーデンで引立て役の木の葉の扱い方は容易である。違った形や色が素晴らしい素材感の広がりを生み出す。例えばカーネーションの細長く灰銀色の葉、明るい緑色のアンジェリカの太い茎に大きな葉、羽毛のような青緑色のイノンド、羽根のような葉とチクチクする枝のバラ、ホスタの尖った長方形の大きな葉、そしてヤナギリンドウの弓なり茎と明るい緑の先細の葉などがある花壇を可愛い濃緑の卵型の葉がある小さな箱が輪郭を描く。
 田舎の庭は沢山のフォーマルな要素はあるものの決してフォーマルではない。例えば、花壇は対称的に並べられ、小さな箱で縁取りされるか、もっとソフトにするにはラベンダー、エゾネギやパンジーで縁取りする。その上、小さな箱でたいへん低く、迷路のような均整の取れた模様が作られた花壇のある庭は最もフォーマルな庭の形の一つである。しかし、スケールを小さく作り、違った植物で縁取りし、一年草で花壇を一杯にすればそれが田舎の庭の素敵な工夫になる。常緑種を縁取りに植えればそれが年中よけい奇麗に引き立て、冬でさえ奇麗である。装飾的に刈込んだ庭はフォーマルを連想するが、田舎の庭にもよく馴染む。ピラミッド、球や立方体の幾何学的な形や螺旋形、鳥や動物の形に刈り込まれた低木は入口や眺めを強調するために一つだけか一対で用いられる。
 大規模でよく手入れされた芝生はカントリー風の庭とは合わない。せいぜいがテニスコートとして使い、それもきっちりと刈り定期的にローラーをかけなければならない。それに対し幾つかの狭い場所に限ったり車が通れない小径として使われた芝地はもっとインフォーマルである。理想的には芝地は粗雑でより自然な仕上がりになるよう古風な手鎌で刈り込まれるべきである。野生の花で覆われたグランドカバーは小さな庭の中でさえ美しく見える。野生の花や草の混合された種は店で入手できる。カモミールやタイムの香りのするグランドカバーは手入れが必要で芝生ほど完全に地面を被覆できないが、ちょっと彫刻のような効果があり、足の裏が楽しい感じがする。

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