前へ | 次へ |
庭の香りと音に囲まれて食事をすればその楽しみは更に大きくなる。木の葉がサラサラ音を立てバルコニーの上の羽根板の屋根を通して日が射せば、バンと良いチーズとちょっと軽めの赤ワインだけのシンプルな食事がご馳走に早変わりしてしまう。夏の快い夜にはテーブルはキャンドルと月光と賑やかな話し声で満たされる。
焚き火やバーベキューで料理することはアウトドアリビングの楽しみの一つであり、それは台所へのうんざりする回数の行き来も少なくしてくれる。七輪は一般に売られている幾多もの品々よりもバルコニーにはぴったりであり見た目さえも良い。と言っても自家製の暖炉があれば理想的である。食事場所と家がちょっと遠い場合は、飲み物を冷やすアイスボックスのための小さなコンテナを一考のこと。
戸外での食事場所はちょっと囲いみたいな感じが必要だ。つまり領域を限定して部屋のような感じにしなければならない。家と外とを区分する壁となるトレリスや欄干や植物はプライバシー同様にある程度風を遮ってくれる。屋根は空へまったく開けているか悪くても部分的に開けているべきである。屋根は羽目板がはめられているか、トレリス、ツル植物またはフジ等で覆われても良く、その手法は同様に空間を仕切るためにも用いられる。別の選択肢としてはローマンシェードの様なタイプの布地の屋根も良い。更に屋根の代わりに大きな布地のパラソルでも食事は可能である。
屋外での食事だけのために造られた家具の伝統は長く、それらはあまりにチャーミングなため屋内でも使用されてきた。石や大理石製のテーブルやベンチや座れるよう考えられた低い壁は永久的な重要部である。その他のチーク製や鋳鉄製のテーブルや椅子等の頑丈に作られたものは年中屋外に置いておくことが考えられている。ベランダや温室に良く似合うラタンや木製の家具も屋外仕様であるが、雨の日には折り畳み式のテーブルや椅子と共に屋内に移動させなければならない。とりわけテーブルは屋外の不整地でもしっかり安定していなければならないし、椅子は座り心地が良くなければならない。なぜならそこは皿が片づけられた後も長く寛ぐ場所だからだ。