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温室とサンルームはかなり違うものの、双方とも家の日向側に造られるガラスが一杯の部屋である。ここでは太陽を浴びて冬は何処かへ行ってしまったかのようであるし夏は更に情熱的でドラマチックである。
北欧やヴィクトリア期のガラスの家を連想させる温室は本来植物のための物であり、エキゾチックになればなるほど良い。それはヴィクトリア期に考案された。初期の設備はオレンジ畑であり、家と同じ材料と建て方で、オープンかガラス張りの壁で造られた離れか涼み廊下である。しかし1851年のロンドン大博覧会に建てられたJoseph PaxtonのCristal Palaceはプレハブのメタルとガラスで出来た上品な温室の流行を確立した。
様式がヴィクトリア風か近代風か、大きく念入なものか単に立掛けるくらいしか広さがないかに関らず、温室はガラスで屋根が張られるかスロープ状になっている。深窓が主家と同じ部材で造られた低い壁の上にはめられるか、壁全体がガラスである。床はしばしば撒く水に耐えるように造られるのが伝統的である。それは色付タイル、暖かみのあるブロックや切出しタイル、大理石の厚板、花崗岩や粘板岩、板石、更にウッドデッキなどから上品な模様が作られる。もし温室が植物用というよりリビングに近いものにするなら、白木や、塗装されたりステンシルされた床板で充分耐久性がある。
プレハブの温室は今日ヴィクトリア風のレブリカからシンプルな通信販売の物までサイズやスタイルは様々で入手可能である。だからあなたの家や、地面や屋根やバルコニーに置いたりする可能なスペースにぴったりの物がかなり容易に見つかる。白く塗られたメタルフレームの物が一番良いように思われる。それは奇麗な床や、植物や藤家具にフィットし、最もシンプルな温室のほうがかえってあなたの家やアパートにチャーミングである。木のフレームの温室は普通もっと高価で手間がかかるが、主家のスタイルによりしっくりくる。家の側の小径沿いにガラス屋根のスロープを付加えると、それは植物で満たされた廊下になる。
サンルームでは植物や熱帯植物にあまり重きはおかない。それは太陽を最大限活用した気取らない屋内空間である。それは玄関の隅をただガラスにしたり、部屋の片面をガラス張りにしただけである。窓は庭の香や音を伴ってそよ風を入れるために開け閉めでき、ドアは庭や玄関口に直に出られるよう開くかもしれない。
もしサンルームが家続きであったり、玄関の一部だとすると、壁の一部は家の外部と同じ素材かもしれない。それは通常粗塗壁、石材、ブロックやウェザーボードである。そして他の壁はたぶん木製であろう。それはしばしば白や明るい色で塗られる。またはもっと徹底的にショッキングピンクや黄など泥絵の具に応用されるため普通は塗らない深さや明るさを持つ色で塗られる。それを背景にして、カラフルなラグ、模様のあるクッションや室内装飾品、藤や着色された家具が壷やハンギングされた植物の間で競い合うだろう。